商品の生産者

子供達には継がせられない・・・農家さんの苦悩
「俺、会社辞めて農家継ぐよ」 ・・・その言葉に嬉しさを感じながらも首を横に振る母。
「ごめんね、農家を続ける気はないんだよ・・・」 そんな悲しいやりとりの背景には理由がありました。
青森県三沢市はごぼうの生産量日本一。
当時の仕事の関係で、ある農家さんからそんな話を聞いた須藤さんは驚いたそうです。
「農業は後継者不足と騒がれている中、親が農家を勧められない現状があるなんて。」 丹精込めて作るごぼう。
同じく愛情をかけ育てても中には「太すぎる」「長すぎる」という理由により毎年、全体収穫量の2~3割が廃棄処分となっている現状が農家さん達の収入を苦しめているのです。
そんな悩みを聞いた須藤さんは「助けたい」なぜだかそう強く思ったのでした。

コミュニティフェアトレードという取り組み
元々、地域を活性化させる事に興味があった須藤さん。
当時ごぼう茶がブームになっていたこともあり、ごぼうの産地で有名な三沢市は商品開発に意欲的に取り組んでいました。
だからといってその流れに乗るのは嫌だったと言います。
「ブームに乗るという事は必ず終わりが来る。一時的なものでは本当に農家さんを救う事にはならない。でも今やらなければ間に合わないかもしれない・・・」そう思ったらブームの事など忘れてしまったそうです。
さらに、どうせやるなら三沢市ごともっと活気づかせたいということでコミュニティフェアトレードという
取り組みを取り入れる事にしました。
農家さん達には規格外の野菜でも公正な取引による安定した収入を、
すっかりシャッター街となったしまった商店街で起業することにより活気づいた街づくり、
就労機会の少ない障がい者や若年者、子育て中の主婦へ雇用の場を提供。須藤さんは活性化の第一歩を歩み始めたのでした。

Growth=成長 人、目標、地域すべてが成長しつづける
起業して何年かたったある日、社員を連れてあの農家さんを訪れる機会がありました。
「あなた達が一生懸命頑張ってくれているのを見て私達も努力しなければと気付かされた。やっぱり自分達の代では終わらせられないね。」と笑顔で言ってくれた農家さん。
人との出会いはかけがえのないものであの日、偶然に農家さんの本音を聞けた事や地域の方達、働いてくれる仲間、全国各地のお客様との出会い、
すべてが須藤さんのエネルギーとなっています。
「目標は成長とともに変われど、根にある部分は変わらない。社名にもあるように常に成長しつづけられる会社でありたい」と須藤さんは言います。
三沢ごぼうのブランド化を目指し、全国や世界に根付かせ、「ごぼう茶を文化にしたい」と須藤さんは目を輝かせます。
地域はいろんな想いが溢れている所で、それはいつも誰かのために動いています。
須藤さんもその中の一人であり、その想いがとても強く感じられました。
