宝湖と呼ばれる「小川原湖」 知られざる魅力

周辺を八甲田山系などの豊かな自然に囲まれ、貴重な動植物が多く生息する「小川原湖」。
青森県、東北町にある小川原湖は日本で11番目に大きな湖で、近隣住人の憩いの場としても親しまれてきました。
多くの水産物がとれるため「宝湖」と呼ばれる小川原湖は、しじみやワカサギ、しらうおの漁獲量は全国でもトップクラスを誇ります。しかし、魚の質や量は他の地域に負けない自信があるのに小川原湖産の魚を選んで購入してくれる方はそう多くありません。
豊富な食材がある_
美味しさにも自信がある_
「どうしたら小川原湖産の魚が食べたいと、たくさんの方に思ってもらえるだろうか?」
漁師さんは魚介の買い取り価格が下がることに不安を抱える毎日、漁協で働く人達は宝湖を目の前してもっと全国の人に小川原湖の良さ、魚介類の美味しさを知ってもらいたいと知名度向上に苦悩、奮闘する毎日なのでした。
知られざる魅力の一つ、「しらうお」 六次産業化への参入

「周りの農家さんが六次産業化に取り組んでいるというが、漁師もできないだろうか?」
周囲からそんな声を聞いた小川原湖漁協の細井さんは、これだ!と思いました。
六次産業化に取り組む農家さんがブランド化に成功しているように、小川原湖の魚も加工品として販売することで知名度が上がり、多くの人に選ばれるようになると考えたのです。
まず、小川原湖の知られざる魅力の一つ「しらうお」から始めることにしました。
「しらうお」は通常市場に出回る「しろうお」と姿は似ていますが全くの別物で、細長く半透明の優美な姿が女性の細くて白い指に例えられるほど美しく繊細な魚です。
しかし、産地が極めて少ないうえに鮮度が落ちやすいため一般のスーパー等で見かけることはめったにありません。
そこで、少しでも取り扱いやすい商品に加工して販売をすることで「小川原湖産のしらうお」の知名度向上に繋げようと考えました。
漁師だからこそ、うまい食べ方。漁協だからこそ、とれたて新鮮。

漁師の中では、しらうおと言ったらやはり刺身。食べきれないものは干して煮干しのように食べるのが定番です。刺身や煮干しも美味しいのですが、刺身は独特の苦みが苦手な方もいるので、もっとたくさんの方に手軽に味わって頂ける方法を考えました。
網にかかったり空気に触れただけで死んでしまうほど繊細なしらうおを、美味しさはそのままに食べてもらうにはどうしたらいいだろうか。試行錯誤の中、しらうおの煮干しを作るときに、さっと茹でた状態がとても美味しかった事に気付きました。軽く茹でたしらうおはふっくらとした食感と繊細な風味があり、淡水魚独特のにおいがなくなるのでとても食べやすかったのです。
小川原湖漁業協同組合は敷地内に加工施設があるため、水揚げ直後の一番新鮮な状態をそのまま加工することができます。
こうして、小川原湖漁業組合の初商品である「釜揚しらうお」は出来上がりました。
「しらうお=小川原湖」 小川原湖産の魚だからと選んでほしい

まずは、「しらうお」を食べてもらう事で、一緒に「小川原湖」の事も知ってもらうことが目標。
「しらうおは高級魚なので年配の方向けのイメージですが、若い方にもぜひ食べてほしいです。高級魚のイメージは崩さずに、多くの人に手軽に食べてもらって、親しんでもらいたい。矛盾しているけれど、それが本心です。」と小川原湖漁協の細井さんは言いました。
どんな分野の生産者さんも自分が愛情込めて育てたものをたくさんの方に食べてもらいたいと思うはず。小川原湖漁協は、そこにある宝湖の知られざる魅力と漁師さんの代弁者としてこれからも小川原湖PRのため活動を続けていきます。
「しらうお」の加工品は、小川原湖産の魚介類を選んでくれる人が増え、地域が発展していく未来につなげるための第一歩。今よりも多くの人に愛される小川原湖にするための取り組みは、まだまだ始まったばかりです。
生産者情報
●販売者
小川原湖漁業協同組合
●所在地
青森県上北郡東北町旭北4丁目31-662
●TEL
0176-56-2104
●代表者
代表理事組合長 濱田正隆
●ウェブサイト
http://www.jf-ogawarako.com/