
ごぼう茶プリンとは?
スタートは高校生と作ったプリン
ごぼう茶プリンは、同じく空飛ぶごぼうPROJECTから六景楽市の認定商品に登録されている『熟成ごぼうの焙煎茶』が使用されていますが、実はプリンのほうが先に製品化されていました。その始まりは令和2年に代表の金渕良子さんが三沢商業高校の生徒たちから「ごぼう産地でありながらごぼう茶の知名度がそれほど高くないので、ごぼう茶を使ったプリンを作って地域経済活性化のためにPRしたい」という相談を受けたことがきっかけでした。よその製造設備をお借りして生徒たちと一緒に作り上げたプリンは「ぷりんにごぼう茶入れちゃいました。」というネーミングで文化祭で販売され、製造した415個が完売するほど好評でした。

「ごぼうde tea time」とごぼう茶プリンの誕生
ごぼう茶を使ったプリンは良いスタートを切ったかに思えましたが、その後は順調に商品化が進んだわけではありませんでした。まず、プリンを作ると余ってしまう卵白をどうするか考えなければいけません。しかもこの時期はコロナ禍の影響を受けた時期で、経済状況が影響を受けるなかでもこれまでと違った分野のプリンを作るとなると冷蔵庫やオーブン、空調などを整備する必要があります。さまざまな課題が頭に浮かび金渕さんは、新たに商品開発をしながら既存商品の三沢おつまみごぼうなどを作りきれるのだろうかという不安から、ごぼう茶プリンの商品化を悩んだそうです。そんな苦境を乗り越えて誕生したのが、ごぼうパティシエYOSHIKOが作る「ごぼうde tea time」というブランドでした。ごぼう茶プリンを作り、余った卵白を活用してお菓子を焼く。余裕のあるときにはプリンで使ったごぼう茶ミルクの茶葉を練り込んだパンを焼いてみるなど、ごぼう茶プリンを発売すると同時に空飛ぶごぼうPROJECTなりのSDGsの活動を始めたのです。

自家製ごぼう茶だからできた美味しいプリン
開発当初、すべて手作りは業務量的に限界があることからプリンに使用するお茶は他社製品にするつもりでした。しかし、何種類か飲み比べをし牛乳や卵の味に負けない美味しさを追求した結果、試しに自分で焙煎したごぼう茶の味が好みだったので結局ごぼう茶を自社で製造することにしました。
その後、三沢市産のごぼう茶をお探しのお客様からのお問い合わせが続いたため、金渕さんは「地域貢献できれば」という思いで熟成ごぼうの焙煎茶の商品化を進め、現在は六景楽市の認定商品としても登録されています。熟成ごぼうの焙煎茶は、甘みが増した熟成ごぼうを使用しているため乾燥させて焙煎することで独特の香ばしさが加わり、ごぼうとは思えない味わいのプリンとなりました。

みんなが食べやすいおいしいプリンを
金渕さんはごぼう茶プリンを作るにあたって、できるだけ多くの人が食べられるプリンにしたかったと話します。新鮮なごぼうのツーンとする青臭い強い香りは好きな人にはたまらないのですが、なかには強すぎるその香りを敬遠する人もいます。そこで金渕さんは『ごぼうが好きではない人でもおいしく食べられるプリン』を目標に誰もが食べやすいごぼう茶プリンを開発しました。
ごぼう茶プリンは商品開発時のモニタリング調査で多くの方から「おいしい」と回答をいただいたそうです。なかでも、ごぼうが好きではないという方から「このプリンを食べてごぼうが食べられるようになりました」という驚きのコメントをいただいたことがありました。そのほかにも「ごぼうのイメージが覆されました」とか、お子さんが「毎日食べられる」「もっと食べたい」と言っていたとお話しされるママたちのお声を聞くことがあるので、間違いなく「ごぼう愛」が増えていると金渕さんは手応えを感じています。

目指すはごぼう産地・三沢の知名度向上
どんな食べ物にも共通することですが初めて口に入れたもので一度嫌なイメージがつくと食べてくれなくなってしまう。そう思うからこそ金渕さんは嫌がられる要素を除きながら商品を開発しました。
「この商品を通してごぼうの違う一面や美味しさを知ってくれて、次に食べたのがうちの商品じゃなかったとしても、ごぼうファンが増えてくれたらありがたいです。」
実際にごぼう茶をプレゼントした相手が気に入ってくれて同じものが近くで売ってなかったからスーパーで他のごぼう茶を買ったと言っていたと教えてくれた方もいらっしゃいます。
金渕さんは、ごぼう茶プリンが売れることよりも、空飛ぶごぼうPROJECTの商品を通して三沢市のごぼう産地としての知名度が向上することを願っています。
