ハチとは?
ミツバチの一生
ミツバチの寿命は1か月あまり。とても短い一生ですが、卵から孵るとすぐに働きだす働き者です。産まれてすぐ、赤ちゃんである幼虫はローヤルゼリーを作ります。このローヤルゼリーは将来女王蜂となる幼虫と女王蜂の餌となります。幼虫が女王蜂の餌を作るなんて人間の世界とは全く違う生態ですね。やがて、ミツバチは10日程で成虫となり外へ飛び立ち、食糧貯蔵のために一生懸命蜜を集めます。その期間は約2週間と大変短く、ミツバチが一生のうちに集める蜜の量はたったのスプーン1杯分と言われています。一生懸命働く姿からは想像しえないわずかな量で、大変貴重な食品なのです。
ミツバチの役割と働き
ミツバチの世界は一匹の女王蜂により成り立っていて、軍隊の様に仕事が決まっています。ミツバチにはそれぞれに役割があり、与えられた仕事を行います。その仕事の種類は様々。花の偵察採蜜・採蜜してきた蜜を受取る・花粉を丸める・巣を作る・巣の掃除・幼虫のお世話など、産まれながらに仕事が決まっています。そして、女王蜂を主として巣の組織が決まっていて、活動はそれぞれのグループ毎に行われています。女王蜂から出るフェロモンをかぎ分け、巣箱を間違えることなく自分の巣箱へ戻ることができます。こうして働くミツバチ・働き蜂は、全てメスのミツバチです。そして、針を持っているのも全てメスのミツバチ。メスのミツバチたちの働きで巣の中の環境が整えられ、食糧となる蜂蜜が作られます。
巣の主女王蜂と、オスのミツバチ
女王蜂の寿命は約2年。選ばれた幼虫が女王蜂となるように育てられ、栄養を与えられます。女王蜂は成虫になると一度だけ処女飛行を行います。この処女飛行の時に、赤ちゃんを産み続ける為の一生涯分の精子を取り込みます。オスのミツバチは『雄蜂(おうほう)』と呼ばれ、この時のためだけに生息し、交尾を終えると一生を終えます。生き残るオスもいますが、秋風が吹き寒くなると、巣を縮小するためにメスのミツバチによって巣の外に追い出され一生を終えます。
女王蜂の寿命は長いですが、月日が経つにつれ次なる女王蜂を誕生させ、巣の中で群の分家が行われます。新たな女王蜂は働き蜂を引き連れて、次なる巣を求めて旅立ち、新しいグループが誕生します。
住みやすい環境のために
養蜂家は、ミツバチが働きやすく住みやすい環境を作っています。養蜂の巣箱は、採蜜シーズンである春から秋にかけて通常木箱を重ねて2段になっています。オフシーズンの秋から春にかけては1段になります。冬は巣箱を縮小することでミツバチ達が集まり自らの体温で室温を保てるようにしています。養蜂家は冬になるとミツバチ達と共に南の温かい地域へ移動します。(澤谷養蜂園では11月末になるとミツバチを巣箱に収めて巣箱ごと千葉県へ移動)この移動は、寒い気候の中でミツバチが生きられない為、過ごしやすい温かい地域へ移動します。蜂蜜は食糧貯蔵の為のものですが、その食糧を人間が頂いているので、秋から冬にかけてのミツバチの飼料は砂糖水を与えて冬越しさせるための食糧貯蔵をさせます。このように、採蜜のタイミング、巣箱の掃除、室温調節の為の対策、巣箱の補強など、人の手を加えて過ごしやすい環境を作りハチの管理をしています。