長芋とは?
“やませ”吹き付ける南部地域
南部地域には冷たく厳しい“やませ”が吹きます。
“やませ”とはオホーツク海気団から吹き付ける、冷たく厳しい偏東風の事。南部地域はこの“やませ”の影響もあり、
昼夜の寒暖差が激しく作物が育ちにくい地域で、その昔は葉物が育たないためジャガイモを植えていました。
作物ができない冬期間にはジャガイモからとれるデンプンを集めて保存食を作るなどして食料を確保してきました。
そんな厳しい環境の中、何度も何度も品種改良を重ね、土地に適した長芋栽培を可能にしました。
長芋にはこの冷涼な厳しい環境が適しており、“やませ”が吹くことで身が締まりギュッと旨味を閉じ込めた長芋ができるのです。
長い月日をかけてゆっくりと
長芋は花が小さく種がほとんどできません。葉の付け根にできる球芽を“むかご”と言い、翌年この“むかご”を植え、一年かけて種芋が作られます。
種芋としては、“むかご”を種芋とする場合と成長した芋を切った切り芋を種芋とする場合の二通りあります。
種芋の植え付けは、5月上旬頃に行われ、約一か月で芽出しします。その後、つるを絡ませる支柱立てとネット張りの作業をします。
ツルがネットに絡まりながら伸び、ネット全体に広がることで、葉全体に太陽を浴びて成長します。植えてもなお手間を惜しまず、丁寧に大事に育成されていきます。
ネットに広がる長芋の葉がやませの影響を受けることによって収穫時の長芋には旨味と栄養素がギュッと詰まっていきます。
長芋を長く保存するには
長芋は皮が薄く水分を多く含むため、常温保存では傷みやすい野菜です。新鮮なうちにいただくのがおすすめですが、無駄なく美味しくいただくために保存方法をご紹介します。
●1本丸ごと
おがくずと共に箱に入っている長芋の場合はそのままおがくずと一緒に箱保存を。箱の蓋を閉じて風通しの良い冷暗所に保存。
●カットされた状態
切り口が空気に触れると乾燥と同時に酸化が進み傷みやすいため、空気が入らないようにラップで包み冷蔵庫(野菜室)で保存。
●冷凍保存の場合
長芋を擦りおろして“とろろ”の状態で冷凍保存できます。冷凍用の保存袋に入れて空気を抜いて冷凍します。平たく伸ばして冷凍しておくと必要な分を割って使えて便利です。
毎日食べて内側から元気に。インフルエンザ抑制効果もある!?
長芋といえば滋養のイメージが強いですが、それだけではありません!長芋に含まれる“ディオスコリンA”という成分については「インフルエンザの抑制効果がある」と国立大学法人弘前大学が発表しています。
その他にもアミラーゼ・コリン・サポニンなどの成分が含まれているので、胃腸の働きを助け胸やけや胃もたれを防いだり、消化を助けてくれるので便秘の改善、さらにダイエット効果、高血圧、動脈硬化など様々な効果が期待できそうです。インフルエンザ・風邪が流行する季節には食べて免疫を高めて予防しましょう!ディオスコリンAは熱を加えると効果が無くなってしまうので生で食べられるのをお勧めします。